
はじめに
就職活動や転職活動において、企業の知名度やイメージだけで判断するのではなく、実際の企業規模や業績を把握することが重要です。特に電気機器業界は、日本の製造業を代表する分野であり、多くのグローバル企業が存在します。しかし、知名度が高くない企業でも、実は高い時価総額や業績を誇る企業が多数存在します。本記事では、電気機器業界の時価総額トップ30社を紹介し、その中から注目すべき3社をピックアップして企業研究を行います。
電気機器業界の時価総額トップ30社(2025年5月時点)
- ソニーグループ(6758) – 約22.77兆円
- 日立製作所(6501) – 約17.64兆円
- キーエンス(6861) – 約15.58兆円
- 東京エレクトロン(8035) – 約10.88兆円
- 富士通(6702) – 約6.89兆円
- 三菱電機(6503) – 約6.28兆円
- キヤノン(7751) – 約5.98兆円
- アドバンテスト(6857) – 約5.41兆円
- 日本電気(6701) – 約5.00兆円
- 村田製作所(6981) – 約4.22兆円
- パナソニックホールディングス(6752) – 約3.95兆円
- ファナック(6954) – 約3.81兆円
- ルネサスエレクトロニクス(6723) – 約3.35兆円
- ニデック(6594) – 約3.32兆円
- TDK(6762) – 約3.02兆円
- 京セラ(6971) – 約2.70兆円
- シスメックス(6869) – 約1.53兆円
- レーザーテック(6920) – 約1.33兆円
- SCREENホールディングス(7735) – 約1.07兆円
- 富士電機(6504) – 約9447.5億円
- リコー(7752) – 約9316.5億円
- 横河電機(6841) – 約8891.5億円
- ミネベアミツミ(6479) – 約8744.5億円
- 安川電機(6506) – 約8688.8億円
- 新光電気工業(6967) – 約7973.8億円
- オムロン(6645) – 約7965.2億円
- セイコーエプソン(6724) – 約7388.6億円
- アズビル(6845) – 約7236.7億円
- イビデン(4062) – 約7124.7億円
- KOKUSAI ELECTRIC(6525) – 約7075.8億円
注目企業3社の企業研究
1. アドバンテスト(6857)
アドバンテストは、半導体検査装置の世界的リーディングカンパニーです。特に、システムオンチップ(SoC)テスタやメモリテスタなど、最先端の半導体製造に欠かせない装置を提供しています。2024年度の売上高は約5473億円、営業利益は約1641億円と、堅調な業績を維持しています。また、2025年3月期には、発行済み株式の2.6%にあたる1900万株・700億円を上限とする自社株買いを実施するなど、株主還元にも積極的です。
https://finboard.jp/companies/JP:6857






アドバンテストは、半導体・部品テストシステム製品群とメカトロニクス関連製品群の製造・販売を主軸に据えた事業を展開しています。これに加え、関連する研究開発や保守・サービスなどの事業活動も手がけています。
同社の半導体・部品テストシステム事業部門では、非メモリ半導体デバイス向けのSoC半導体用テストシステムやメモリ半導体デバイス向けのメモリ半導体用テストシステムなど、半導体・電子部品産業に必要なテストシステム製品を提供しています。生産活動はアドバンテストと外部委託企業が担当し、販売活動は国内外のユーザーに対して行われています。
メカトロニクス関連事業部門では、半導体デバイスのハンドリングに関わるテスト・ハンドラやデバイス・インタフェース、ナノテクノロジー関連製品群を提供しています。この事業部門も、生産活動はアドバンテストグループと外部委託企業が、販売活動は半導体・部品テストシステム事業部門と同様に行っています。
さらに、サービス他部門では、上記事業に関連した総合的な顧客ソリューションの提供、システムレベルテストのソリューション、サポート・サービス、消耗品販売、中古販売、装置リース事業などを展開しています。
アドバンテストは、これらの事業を通じて、半導体産業のニーズに応える多様な製品とサービスを提供し、グローバルな市場での競争力を高めています。
2. シスメックス(6869)
シスメックスは、臨床検査機器や試薬の開発・製造・販売を手がける企業で、特に血液検査分野で世界的なシェアを誇ります。2024年度の売上高は約3478億円、営業利益は約647億円と、安定した業績を維持しています。また、2024年4月には普通株式1株につき3株の割合で株式分割を実施し、投資家層の拡大を図っています。
https://finboard.jp/companies/JP:6869






シスメックスは、本社および連結子会社77社、関連会社2社で構成されるグローバル企業で、ヘルスケア事業を主軸に展開しています。この事業は、検体検査に関連する製品及びサービスの提供を中心としています。国内では、シスメックスが製品の開発、製造、販売、サービスを主に担当し、一部は連結子会社が担っています。海外では、米州、EMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)、中国、アジア・パシフィック地域で、67社が製品の製造、販売などを地域ごとに分担しています。
具体的には、シスメックス アメリカ インクは米州で検体検査機器及び検体検査試薬の販売を、シスメックス ヨーロッパ エスイーはEMEA地域で検体検査機器の販売及び検体検査試薬の製造、販売を行っています。また、希森美康医用電子(上海)有限公司は中国で、シスメックス アジア パシフィック ピーティーイー リミテッドはアジア・パシフィック地域でそれぞれ検体検査機器及び検体検査試薬の販売を手掛けています。
さらに、関連会社である株式会社メディカロイドは、日本において医療用ロボットのマーケティング、開発、設計、製造、販売及びアフターサービスを展開しています。これらの事業活動を通じて、シスメックスは医療分野における検体検査の精度向上と効率化に貢献しています。
3. ミネベアミツミ(6479)
ミネベアミツミは、精密部品や電子機器の製造を手がける企業で、特にボールベアリングやモーターなどの分野で高い技術力を持ちます。2024年度の売上高は約1兆1478億円、営業利益は約746億円と、前年同期比で大幅な増収増益を達成しています。また、2024年5月にはミネベアパワーデバイス株式会社(旧・日立パワーデバイス)を取得し、事業の多角化を進めています。






ミネベアミツミは、自身及び144の子会社で構成されるグローバル企業で、機械加工品、電子機器、ミツミ事業、ユーシン事業を主要な事業セグメントとしています。これらの製品の製造は、日本国内の子会社やアジア、米国、欧州に位置する子会社が担当し、販売は国内外の子会社や支店を通じて行われています。
機械加工品事業では、ボールベアリングやロッドエンドベアリング、ハードディスク駆動装置(HDD)用ピボットアッセンブリー、航空機用ねじなどのメカニカルパーツを提供しています。電子機器事業では、電子デバイス(液晶用バックライトなどのエレクトロデバイス、センシングデバイス)、HDD用スピンドルモーター、ステッピングモーター、DCモーター、エアームーバー、特殊機器などを手がけています。
ミツミ事業は、半導体デバイス、光デバイス、機構部品、電源部品、スマート製品などを提供し、ユーシン事業では、キーセット、ドアラッチ、ドアハンドルなどの自動車部品や産業機器用部品を製造しています。その他の事業としては、自社製機械やソフトウェアの設計、開発、システム運用なども行っています。
これらの事業を通じて、ミネベアミツミは多岐にわたる製品とサービスを世界中に提供し、幅広い産業分野でその技術力を発揮しています。
おわりに
電気機器業界には、一般的な知名度は高くなくても、実際には高い時価総額や業績を誇る企業が多数存在します。就職活動や転職活動においては、こうした企業にも目を向け、自身のキャリアプランに合った企業選びを行うことが重要です。本記事が、皆様の企業研究の一助となれば幸いです。
参考リンク:
X(旧Twitter): https://x.com/projinji3dann
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